4月から18歳で成人になります!高校生等を雇う場合の注意点について

こんにちは。

西丸兼生社会保険労務士事務所
スタッフの左田野です。

2022年が始まり、成人式が終わりましたが、民法の改正により、4月1日からは成年年齢が20歳から18歳に変わります。

来年の成人式は、3学年合同で・・・
なんて話もありますね。

成人になると変わることから、今日は高校生等(年少者)を雇う場合の注意点についてみていきましょう。

目次

未成年、年少者、児童の違い

年齢による区別は以下のとおりです。

未成年 = 満20歳未満(令和4年3月31日まで)

年少者 = 満18歳未満

児童  = 満15歳に達した日以後の最初の年度末、3月31日までにある者(主に中学校卒業まで)

児童手当と一緒に覚えておきましょう。

年少者は適用外になるもの

年少者の深夜労働

深夜労働とは、22時~5時までの時間帯労働を指します。

割増賃金の発生はもちろんのこと、満18歳未満の年少者は深夜労働が制限されています。

原則として、

年少者 = 22時~5時までの勤務禁止

児童  = 20時~5時までの勤務禁止

満16歳以上の男性かつ交代制の勤務、非常災害時や行政官庁の許可がある場合は深夜労働可など、例外もあります。

深夜に飲食店やゲームセンターなどを利用する場合、「青少年保護育成条例」や「風営法」で禁止されていますが、働く場合にも労働基準法により年少者の深夜労働が禁止されているのです。

変形労働時間制
36協定による時間外・休日労働

変形労働時間制とは、就業規則等で定めることにより、一定期間を平均し、1週間あたりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲において、特定の日または週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度のことです。

1週間あたりの労働時間が44時間に緩和されている特例措置対象事業場であっても、年少者の場合は原則どおり1日8時間、1週間40時間までとなり、時間外・休日労働(36)協定による残業にも従事させることができません。(例外あり:労働基準法60条3項)

なお、児童については、1日では修学時間を通算して7時間、1週間では修学時間を通算して40時間以内の制限があります。

(過去の参考記事)

長時間労働に関わる法制度について解説します。

危険有害業務・坑内労働

危険有害業務の就業には制限があり、坑内労働は禁止されています。

高校生等を使用する事業主のみなさんへ

高度プロフェッショナル制度 (略して高プロ)

高度プロフェッショナル制度とは、働き方改革の実現に向けて数年前から始まった取り組みの一つです。

高度な専門知識・職業能力をもち、年収1,075万円以上を得る労働者を対象に、労働基準法に定める労働時間に基づいた制限を撤廃する制度で、年少者は適用外となります。

詳しくはこちら

年少者の社会保険

健康保険・雇用保険については年齢に下限はないので、勤務形態等がそれぞれの加入要件を満たしている場合、加入義務が生じます。

※ 加入要件に学生でないことがあります。
(ただし、夜間・通信・定時制に通っている学生は加入対象)

国民年金保険料は満20歳以上に納付義務が生じますので、4月~18歳成人の方は対象外となります。

まとめ

よく統計などで耳にする”労働力人口”とは、15歳以上(つまり年少者~)の労働の意思と能力を持つ人口を言います。

人手不足が深刻な高齢社会において、年少者の労働力は重要ですが、年少者本人は社会経験が少なく、自分の置かれている状況を正しく理解し判断ができているとは限りません。

これは、使用者である企業側にとっても、適切に合意を得たか問われる事例になります。

不安に思われた事業主様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

<参考文献>

最新版 図解でハッキリわかる労働時間 休日・休暇の実務

(おまけ)

kensei

4月から女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられます。
これにより、結婚できるのは男女ともに18歳以上になります。
しかし、成人が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、これまでと変わらず20歳なのでご注意を!

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう